富士フイルム X-T2のダイナミックレンジ拡張機能を検証してみた

/Posted:2017.04.25

富士フイルムのデジカメには「ダイナミックレンジ拡張」という機能が備わっています。これによって、主にハイライト側の白とびを軽減することができます。

他社でも同様にシャドウが暗くならないようにする機能やハイライトが飛ばないようにする機能はあります。富士フイルムでも「シャドウトーン」「ハイライトトーン」という設定値によって操作することが可能です。

今回はダイナミックレンジ拡張機能を中心にその効果や引き換えにどういったデメリット(暗部ノイズを想定しています)があるか検証してみたいと思います。

そもそも「ダイナミックレンジ」とは

ダイナミックレンジとは、デジカメで写真を撮った時に、「一番暗いところから一番明るいところまでどれくらい写せるか」を表現したものだという理解でOKです。通常◯◯段とか◯◯EVとかの単位で表現されます。JPEGではだいたい5段から7段くらいです(これ以上広くなると不自然になります)。

例えば、日陰の建物を撮った時に晴れた空が写るとその部分が真っ白になってしまったりするわけです。これはダイナミックレンジを超えてしまったということです。このように真っ白にせず(真っ白になってしまうのを「白飛び」と言います)に、青空を写せるように幅を広げてあげるのがダイナミックレンジ拡張機能です。写せる明の範囲を広げてあげるわけですね。

ダイナミックレンジ拡張を利用するにはISO感度変更が必要

ダイナミックレンジ拡張機能はISO感度を上げなくては利用できないという制限があります。ダイナミックレンジ100%、200%、400%の3段階がありますが、200%はISO400以上、400%はISO800以上の感度でないと利用できないのです。

実写で比べてみよう

ISO200 ダイナミックレンジ拡張(以下DR)100%、ISO400 DR100%、ISO400 DR200%で撮影して比較(手持ちで撮りました。ご容赦を)。ISO400で絞りf8、1/250で撮影しています(フィルムシミュレーションはProNeg.Hi.)。

まずは全体をDR100%の写真で。

DR100%
FUJIFILM X-T2, 16.0 mm, f8.0, 1/250,ISO400
Photo by Tomoya Kurashige

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次がDR200%です。

DR200%
FUJIFILM X-T2, 16.0 mm, f8.0, 1/250,ISO400
Photo by Tomoya Kurashige

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屋根部分をアップにしてハイライトの階調を比較してみましょう。

DR100とDR200
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左がDR100%、右が200%です。DR200%では明らかに屋根や空が濃く再現されています。見事な効きっぷりです。全体の階調についてはDR200%はハイライトの階調に対してシャドウがしっかり描画できていて、若干不自然な感じを受けます。空の色も妙に濃くなってますね。

さて、効果があるのはわかっている話で、問題は画質への影響ってどうなの?っていう点です。特にISO400、DR200%にすると実は画質が悪くなっているというオチがあったら切ないわけです。ノイズが出やすい暗部を比べてみると・・・。

DR100とDR200暗部
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やべぇ、特に画質的に違いを感じない・・・。多少ノイズが増えて見えるかとおもったのですが、等倍にして見ても違いがほとんど無いように見えます。こりゃ、すげぇ。

増感/減感、ハイライトトーン、シャドウトーンでいじってみる

ISO200およびISO400 DR100の写真をカメラ内現像でパラメータを変更して現像してみました。

ISO400 DR100を現像

ISO400
FUJIFILM X-T2, 16.0 mm, f8.0, 1/250,ISO400
Photo by Tomoya Kurashige

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ISO200 を現像

IS200-2
FUJIFILM X-T2, 16.0 mm, f8.0, 1/125,ISO200
Photo by Tomoya Kurashige

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いずれも減感-2/3、ハイライトトーン-1、シャドウトーン-1で現像しています。白飛びは軽減できましたが、DR200には及びませんしシャドウはよりアンダーになりました。

ISO200をフィルムシミュレーションを変更(ProNegStd)して現像

ISO200 ProNeg.Std
FUJIFILM X-T2, 16.0 mm, f8.0, 1/125,ISO200
Photo by Tomoya Kurashige

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こちらはフィルムシミュレーションをProNeg.Std.にすることでシャドウが随分持ち上がりました。DR100%同士であれば、ISO200のほうが若干ダイナミックレンジが広いようなので、ISO200で輝度差が激しいときにはProNegStdを利用してアンダーに撮るというのも一つの手になりそうです。

(ISO200はISO400に比べて若干オーバーに撮れてしまったので、カメラ内現像した後も若干オーバーです)。

最終手段はPCでRAW現像

ダイナミックレンジ拡張やカメラ内現像による調整は手軽に白飛びを抑えたりすることができる便利な機能です。しかし、これらも限界があります。そうなったら、パソコンを利用してRAWから現像するのというのが最終手段になります。

ただ、Lightroomでも富士フイルムが提供するRAW FILE Converterでも富士フイルムのRAWデータを少なくともカメラが出力するJPEGと同じレベルの色再現やデモザイク処理ができるとは思っていないので、本当に最終手段として考えています。

ダイナミックレンジ拡張は積極的に使える!

自分でしっかり検証したのは初めてでしたが、ものすごい効きのよさに驚きました。ISO200でアンダーで撮影して、現像時にオーバーにするのであれば、最初からISO400でDR200%で撮影したほうが手軽でし。あとから100%にすることもできます(RAWで撮影していた場合)。

ノイズのことを考えると輝度差が少なければISO200にしたいですし、ある程度飛び気味のほうが自然な描写になるのは事実です。この辺りは撮影シーンによって変えてみたり好みで決めることになるでしょう。

富士フイルムのXシリーズはISO400でもそれほどノイズが乗るわけではないので、割り切ってしまうのもありかと思います。とにかく低ノイズを追い求めるのでなければISO400以上に設定値して、DRをAUTOにしてしまうというのもよい方法だと思います。

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