荒木経惟「東京人生」を読みました。うーん、いいねぇ。 | Photograph days  

荒木経惟「東京人生」を読みました。うーん、いいねぇ。

/Posted:2017.02.08

最近図書館で本を借りることが増えてきました。無料で本が読めるなんて、幸せ! 最新の本がすべてあるわけではないですが、近所の図書館の蔵書をすべて読むだけでも多くのことが学べるものです。 加えて、普段手をとることもないジャンルの本を読むきっかけになります。棚の間をぶらぶらとあるいて、「おっ」となんとなく手をだす。 そして、自分の世界が広がっていくわけです。

さて、本題。すこし離れたところにある図書館がしばらく改装のため休館していたのですが、ようやく再開しました。 久しぶりに行ってみて、ふと見るとアラーキーの「東京人生」という本がある。そうね、アラーキーといえば、エロスも多いけど、東京あるいは街のスナップもたくさん撮ってるね。 そう思いながら、とりあげてバーっと見てみます。すると、ほとんど写真。文章は本の最後にちょろっとあるだけなんですね。

アラーキーの過ごした東京。街そして人々の姿

アラーキーの「東京人生」はそのタイトル通りに彼が東京で撮った様々な写真が収められています。実家の周辺や妻との生活、銀座などの街、市井の人々、親しい人々など。 どれもが強く眼に飛び込んできます。過激な被写体はほんの一部しかありません。彼の眼にしたものが、みごとに写真に描かれ、彼が行きた時代の変遷を共に感じるかのようです。

被写体を見事に捕まえ、見事なフレーミングが素晴らしい写真を産み出している

少し前にホンマタカシの「たのしい写真よいこのための写真教室」を読みました。この本の中でホンマタカシは、写真を「決定的瞬間」と「ニューカラー」に大別しています。前者を小型カメラを使い、瞬間的な出来事を捉え、構図の中に収める写真。 後者を主となる被写体が前面に出る写真ではなく、多視的で全体を等価的に写した写真、といったように評しています。

「決定的瞬間」といえば、アンリ・カルティエ・ブレッソンですが、言われてみればその通りです。 彼の写真は被写体のとっさの動きを見事な構図の中に見事にはめ込んでいるかのようです。縦の線や横の線が意識されていたり、幾何学的な線が意識されていたりと、 デザインされたかのような写真になっています。

アラーキーの写真はおそらくこの「決定的瞬間」の流れなのだろうと思います。瞬間的に捉えた写真に、素晴らしいフレーミングが加わることで私たちに強烈な印象を与えていると。 多くのスナップショットがつまらない写真で終わっていくのは、被写体だけを見ているからなのかもしれません。 フレームの中にどのように写し取るか、そういったことまで計算されたスナップショットは強く、美しい写真として存在する気がします。

瞬間的に光とフレーミングを見極めているのだろう

例えば、「ペッチャンコーラ」という一連の写真が掲載されています。道端でぺしゃんこになった空き缶を拾い集め、6x6で白バックで撮影した写真です。これらの写真は丁寧なフレーミングで決して雑に撮影されていません。 静止しているものはフレーミングやライティングなどゆっくり時間をかける事ができます。そう、スナップショットも同じくらいの丁寧さをもって撮影していることを感じるんですね。光を読む、フレームを決める、被写体の動きを予測してすべてが”パーフェクト”になるところで撮る。 それがアラーキーの素晴らしさのような気がします。

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