読了:「ライフサイクルイノベーション」ジェフリームーア著 | Photograph days  

読了:「ライフサイクルイノベーション」ジェフリームーア著

/Posted:2016.07.08

今回も古い本です。初版は2006年と10年も前。著者のジェフリームーアといえば「キャズム」というハイテク領域のマーケティングについた著書で有名です。

キャズムは1991年の著書ですが、今回読んだライフサイクルイノベーションはキャズムやそれ以降の著書で論じてきたことを踏まえ、ハイテク企業に限らず市場(対象のプロダクトのライフサイクル)の状態に合わせたイノベーション、そしてイノベーションを実践するための取り組みについて書かれています。

ライフサイクル イノベーション 成熟市場+コモディティ化に効く 14のイノベーション
ジェフリー・ムーア
翔泳社
売り上げランキング: 69,046

本書は3部構成になっています。
第一部ではイノベーションを語る前提となる「プロダクトライフサイクル」「コンプレックス・システム型ビジネスとボリューム・オペレーション型ビジネス」が解説されています。

プロダクトライフサイクルについては「キャズム」で解説された「イノベーション導入サイクル」ののちに訪れる「成長市場」「成熟市場」「衰退市場」の4つを定義しています。

「コンプレックス・システム型ビジネス」は主に大企業向け向けのサービス・製品などが主で、都度顧客企業ごとに調整や構築が必要となるものです。反対に「ボリューム・オペレーションシステム型ビジネス」は大量の顧客を対象とし、顧客ごとの調整を行わないビジネスです。おもに消費者向けや小規模企業向けビジネスが相当します。

第2部はプロダクトライフサイクルごとに実現できるイノベーションの説明と事例紹介です。その際にコンプレックス・システム型、ボリューム・オペレーション型それぞれに適したイノベーションについても言及しています。

最後の第3部ではビジネスを推進するためにイノベーションを起こすための抵抗力といかに戦い、イノベーションを行うサイクルをいかにして定着させるかという点について論じられています。

イノベーションというと、なにか頑張って発明するようなもののように聞こえますが、企業は新しいものを生み出したり、効率化して行ったりと常に変化をしていかなくては競争の中で埋没していきます。その観点で本書を読むと、イノベーションがなにか画期的で難しい行為というよりも"やってしかるべきこと"のように理解できます。

しかしながら、企業はどうしても成熟した、収益の上がる今のビジネスにしがみつき、社員も固定化したオペレーションにしがみつきたく成ってしまいます。それがまさに抵抗力と言ってもいいでしょう。

10年前の本なので事例が古いのが難点といえば難点です。例えばAOLによるタイムワーナー買収など当時はセンセーショナルでしたが、今やそんなこともあったなレベルのことですし、若い人はAOLを知らないかもしれません。もっと古いAppleの事例などの方が逆にわかりやすいかもしれません。

経営者や上級マネージャーが実践する領域のテーマではありますが、起業や企業内起業も多くなっている昨今、こういったプロダクトマーケティングの知識は必須のものとなってきているのではないかと思います。

 

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